『欠落』
ほのかに香るシャンプーの香り。
指通りの良い、さらさらの髪。
心地よく響く、甘い声。
全てが愛しい。
色素の薄い、紅茶色の瞳。
滑らかで柔らかい肌。
折れそうなほどに華奢な身体。
全てを守りたい。
そんな俺の想いは届かなかった。
清潔で無機質な白い部屋。
風にはためくカーテン。
白いシーツに横たわる君。
温もりの去っていく身体。
血の気の失せた顔。
直線を描く心電図。
……夢なら良いのに。
君は霞のように儚く消えた。
そして、今。
君は俺を空から見ている。
幾千万の星々と共に。
comment
≫ちょっと悲しい気分の時に書いた詩。
こんな想いだけは、したくない……と思う。